



今日の一冊
カール・ベッカー編著 駒田安紀監訳『愛するものは死なない ~東洋の知恵に学ぶ癒やし~』 京都大学こころの未来研究センター こころの未来叢書2
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私の心に刺さった言葉
日本人の先祖供養にヒントを得て、故人と生前から続く精神的な絆を持った方が健全である、とクラス氏らは提案する。
欧米では死別を乗り越えるとき、「故人を忘れなさい」と説くそうです。故人を記憶から消し去ることで死別の悲しみも消えていくと考えるのです。
私は死別の現場に立ち会うことが多いですが、日本では供養という考え方があって、故人をいつまでも忘れないことで死別の悲しみを癒やそうとします。
供養の考え方は世界ではめずらしい考え方なのだということを本書から知り、私の世界観が大きくなったと思いました。
今日の一冊
石井遊佳 著『百年泥』 新潮社2018/1
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今年の芥川賞受賞作です。
心に刺さった言葉
とにもかくにもこのままでいるのが彼らの最大の望みだということが彼らの発言からひしひしと感じ取れた。
インドでは生まれ変わりを信じています。そして、生まれ変わったら何になりたいかと聞かれたら、この世で親がしてくれた全く同じことを来世で親に返したいのだそうです。
もっとよい暮らしがしたい、もっとお金持ちになりたい、ではないのです。
ただ、恩返しがしたいのです。
私は、今よりもっと良くなりたいと願うのは、欲張りなのではないかと反省しました。
今日の一冊
日野原重明 著『生きていくあなたへ』~105歳どうしても遺したかった言葉~
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心に刺さった言葉
あなたは今悲しみ間真っ只中にいて、一生自分は笑うことがないと思っているかもしれません。(中略)そんな癒しの恵みを味わうことで、生きていてよかったなと思える瞬間が必ずやって来ます。そのときを信じて待つのです。
たくさんの別れと看取りをしてきた日野原先生ならではの言葉ですね。
この一文に込められた行間に思いを馳せて、日野原先生ご自身の死も静かに受けとめて行かれたことでしょう。
だからこそ日野原先生は「キープ オン ゴーイング」という言葉を残されたのです。
今日の一冊
望月俊孝 著『癒しの力 ~お金・時間・他人にコントロールされない生き方~』
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心に刺さった言葉
「癒やし」の力を身に付けるとは、「癒やし」の力を「思い出す」ことなのです。
癒しとはrememberであると著者は説きます。
「バラバラになって孤立していたものが、もう一度、大きな存在の中の大切な一員に戻ること」
「自分たちが誰なのか?を思い出し、宇宙の一員に戻り協力し合うこと」
これが癒しの本質です。
言い換えれば自己肯定感を取り戻すということです。
過去の自分と対話して、未来の理想の自分と対話する。そして、今この瞬間の自分と対話することで癒やし、つまり自己肯定感を取り戻すことができそうです。