今日の一日一善
孤独の中でしか、自分自身を豊かに深めていくような濃密な時間を得られない。
齋藤孝(教育学者/日本)
スマートフォンを開ければSNSなどでいつでもたくさんの会話ができます。常にザワザワとして孤独になることが難しいものです。
空海も同じように孤独の中で自分を深めたいと思ったことでしょう。
空海は嵯峨天皇から東寺(現在の京都駅近くにあり、五重塔がランドマークになっています)を賜り住職となります。京の都に近く、交通の要所であり便利な立地でしたが、いつもザワザワとしていたことでしょう。
空海は、時間があるときには東寺を抜け出して各地を巡錫していたようです。そして、高野山を見つけ真言宗の根本道場とします。京の都から、「不便な高野山に籠もらず、京の都で話をしようじゃないか」と公家など雅な方からラブコールを受けます。
京に帰って来てほしいという手紙の返信として、高野山は心豊かに過ごせる場所なのだと空海は言いました。空海は、孤独の中でしか自分自身を高めることができないことを知っていたのでしょう。