太釈さんの法話なブログ 四国霊場
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太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

まずすることは?

四国八十八ヶ所霊場を参拝する時、宿に着いたらまずすることがあります。
客人をもてなす前に金剛杖の先を洗い清め、床の間に安置します。
人間よりも、まずお大師さまなのです。

「杖を突いたらイカン、と言う人は杖の先は汚れていないはず。
なのに、杖を洗い清めるのはちょっと変ではないか?」

と、笑いながら言っておられました。

「ちょっと、屁理屈やけどな」

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杖は突くもの、突かないもの?

四国88ヶ所霊場を歩いて参拝する人も増えました。
道中、お大師さんの杖をどうしたらいいのかという質問です。

「杖は、突いたらイカンという人と、ついて歩く方がええと言う人とおるが、どちらが正しい?」

私の答えは「どちらも正しい」です。

1.杖を突いたらイカンという人の理由
お大師さまは四国霊場を歩いて巡りました。夜は野宿です。
ある時、雨が降り出したので、橋の下に一夜の宿を取りました。
このことから、お大師さまが下で寝ておられるかもしれないので、「起こさないように杖を突かない」とします。

2.杖を突くものだという人の理由
「遍路転がし」という難所があります。そういう所は自分の両足に加えて、お大師さまの杖もお借りして3本足で歩くのがよいというものです。

それを聞いた方は、ニコニコしながらこんな話をしてくださいました。
続きは、明日に。

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お大師さんの杖

四国八十八ヶ所霊場を参拝する時、必需品がいくつかあります。
そのひとつが「金剛杖」です。

お遍路さんが手に持って歩いている杖です。
お大師さまの身代わりとも言われます。

四七日に来ていた方が四国霊場を参拝した時、杖を左手に持っていたところ、他のお遍路さんに注意されました。
「杖は、右手で持つものよ」

その理由が分からなかったのですが、昨日氷解したとのこと。
「お大師さんを持つ手は、仏さまの手でなくちゃね」

お役に立てたようでうれしいです。

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厄除けのお薬師さん

11番札所 藤井寺

  第11番札所 藤井寺の山門



御本尊の薬師如来は幾多の災難をくぐり抜けてきたと伝えられています。

400年ほど前のこと。
兵火によって境内の建物は全て焼かれてしまいましたが、薬師如来だけは
不思議なことに火災を逃れて谷川に落ちて難を逃れました。

さらに、約180年前のこと。
再び火災が起きて境内の建物が全て焼け落ちた時、住職の手によって御本尊を
運び出され難を逃れています。

幾たびの災難にも無事であったことから、「厄除けの御利益がある」と
信仰が生まれました。
「厄除けのお薬師さん」として今でも親しまれています。

私もあやかりたい。

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大師の修行場

11番札所 藤井寺

  第11番札所 藤井寺の山門


藤井寺に伝わるお話です。

このお寺は、弘法大師空海が建てたと伝えられています。
御本尊薬師如来を自ら刻み、500メートルほど登ったところにある滝へ行きました。
そこには「南無阿弥陀仏」と刻まれた大岩があり、その上で7日間修行されました。
その後に境内に五色の藤を植えたことが始まりです。

弘法大師空海が裏山の反対側で大蛇を倒したという伝説があるので、
このあたりを巡錫したことは間違いがないでしょう。
しかし、「南無阿弥陀仏」はもう少し後の時代に唱えられたはずなのですが。

ちょっと矛盾をはらむお話ですね。
現在では、禅宗の一派である臨済宗妙心寺派の寺院となっています。

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