太釈さんの法話なブログ 2019年10月
FC2ブログ

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

遺影が語る

実のお母さまが亡くなられて二十一日目、三七日のお参りに行って来ました。
人が亡くなると死出の旅に出ると言われます。旅は故人の一人旅です。どこへ向いていけばいいのか。何をすればいいのか。きっと途方に暮れることでしょう。
そこで、亡くなってすぐから三十三回忌まで、十三人の仏さまが故人を導いてくださると言われています。
故人は、それぞれの回忌で、いろいろなことを学びながら旅を続けていきます。
三七日に出会う仏さまは、「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」です。聞き慣れない仏さまの名前です。
ことわざで、「三人寄らば文殊の知恵」とあります。この「文殊」の語源になった仏さまです。
文殊の「知恵」というぐらいですから、智慧を司ります。言い換えれば、経典の仏さまです。
さて、この話をさせてもらうと、ご遺族はこう言いました。
「お母さんも、お経の勉強をしているのかしらね」
それからご遺族は、懐かしそうに遺影を見つめながら言いました。
「あたふたと霊供膳を備えていると『まだできないの?』と言われている気がする」
「家の電気を消して帰る時は、さみしそうに見える」
ご遺族は遺影に向かいながら、話しかけておられます。
九十歳を超えての大往生でしたから、こんな会話もできるのですね。
いつまでも「忘れないこと」が供養の心で

スポンサーサイト



PageTop