太釈さんの法話なブログ 心を込める その4

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

心を込める その4

質問してくださった老紳士は、「フムフム」と聞いてくださいました。
若造の話に耳を傾けてくださるのはありがたいことです。

彼は、質問を重ねました。
「亡くなった後の世界とはどのようなものだろうか」

私は、般若心経の解説をなぞって答えました。
「般若心経の教えは『空』でした。もともと空っぽなので、こだわりを捨てて真っ白になりなさいと説きます。
 弘法大師空海もつらい経験をなさっています。後の高野山を託そうと思っていたであろう高弟であり、自身の甥が三十七歳でこの世を去りました。49日忌に弘法大師空海が詠んだ歌です。
 「阿字の子は 阿字のふるさとたち出でて また立ち返る 阿字のふるさと」
大日如来

 阿字とは大日如来を指します。つまり仏さまです。亡くなった甥は仏の子である。縁あってこの世に生まれてきた。再び母なる大日如来の懐へ帰っていったのだ。何も悲しむことはないのだ。と、自らを慰めたといいます。
 死後の世界は、「空っぽで煩いのない、仏さまの懐のような世界」であると思います。」

老紳士は、遠くを見つめながら「実はね」と話しはじめました。
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