太釈さんの法話なブログ 生きている幸せ その2

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

生きている幸せ その2

総合病院の待合室です。
広々とした廊下を看護師さんや白衣を着た医師が行き交っています。
考え事をしている顔、ちょっと微笑んでいる顔、様々な心模様がマンダラを作ります。

整然と並んだ長いすに座っている患者さんたち。
そわそわしながら順番を待つ人、子ども連れで絵本を開いて読み聞かせするお母さん、文庫本を開いて小説の世界に没頭する人、様々ですが、誰もが何かの病気があって診察を待つ人ばかりです。

一人でいる寂しさに耐えかねて、声をかけてくる人もいます。
「おたくは、どういったことで来られたのかしら?」
たいていの人は「聞き手」になるより、「話し手」になりたいものです。
延々と自分の病状を話して、はしご診療をした遍歴を披露した後、「どう思う?」と問いかけてきます。はしご診療は「セカンドオピニオン」と言い、決して主治医を信頼していないわけではないといいます。
本当のところは、どうなんでしょう。

ひとしきり自分の病状を話し終わると、今度はこちらの病状を知りたがります。仲間意識を持ちたいのでしょうね。
根掘り葉掘り聞かれた後、「この健康食品がいいのよ」とテレビショッピング顔負けの宣伝を始める人もいます。
「それだけ元気なら、病院に来なくても大丈夫ね」と言いたくなるくらいです。

そういうやりとりが煩わしく、一人で本を開くようにしています。
逃げ道を探すように。

ある時、待合室での会話がふと耳に入りました。聞き耳を立てるつもりはなかったのですが、つい聞いてしまいました。その内容に心を動かされたからです。

つづく
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