太釈さんの法話なブログ だいしはいまだ おわします その3

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

だいしはいまだ おわします その3

弘法大師空海が開いた高野山で、今もなお大切に継承されている「真言密教」
最終の目的は、即身成仏です。この身このままで、仏になれるという教えです。

真言密教が弘法大師空海によって日本にもたらされるまで、仏になるまでには何度も生まれ変わって気が遠くなるほどの期間修行を重ねなくては仏になれないというものでした。
ところが、真言密教は「生きたこの身このままで仏になれる」と説きました。
そして、弘法大師空海は、承和二年3月21日にその身のままで仏となる即身成仏を体現しました。
これを「入定(にゅうじょう)」と言います。

それ以降、高野山奥の院で弘法大師空海はいまだ生きてそこに居るという信仰が生まれました。
ですから高野山に上る信者様は、誰もが口をそろえて「お大師様に会いに行く」と言います。

さて、弘法大師空海が入定して80年の歳月が流れました。

当時の天皇の夢枕に一人の僧侶が立ちます。
衣はボロボロで髪やひげは伸び放題です。悲しげな表情をした僧侶は一首詠みました。

「高野山 結ぶ庵に 袖(そで)朽(く)ちて 苔(こけ)の下(した)にぞ 有明(ありあけ)の月」

高野山にある小さな庵で、袖も朽ち果てるほどの歳月が過ぎてしまった。苔の下となってしまって小さな庵の中に、夜が明けても輝き続ける月があるというのに」

天皇は、ハッとしました。
この僧侶は高野山を開いた空海に違いない。今すぐに行って礼を尽くさねばならない。

さっそく支度を調え、空海に諡(おくりな:死後に天皇から贈られる名誉称号)として「弘法大師」を授け、東寺の僧侶を伴って高野山へと向かいました。

つづく
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