太釈さんの法話なブログ 一番困った時 その3

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

一番困った時 その3

前回までのあらすじ
中浦さんが担当する取引先が倒産し、経理担当の専務と連絡が付かない。
数日後やっと姿を見せた専務に、中浦さんは「何で連絡を、、、、」と言いかけたとき、上司の課長は
「専務、お疲れでしょう。ここでは、どうぞゆっくり休んでください。冷たいお茶でもどうぞ」とすすめた。


専務から大粒の涙がこぼれました。
それを見て、中浦さんは「心底参った」と思いました。

突然の倒産です。
どこの銀行からも叱責を受け、けんもほろろの対応をされたはずです。できるはずもない返済を迫られ、ただ頭を下げて相手の暴言罵倒を受けるしかなかったでしょう。

それを知った上で、上司の課長は「冷たいお茶をどうぞ」とすすめたのです。
この人はすごいと中浦さんは尊敬しました。

さらに、上司の課長を「すごい」と思わせる出来事が重なりました。

中浦さんは、祖母死亡の報せを受け取りました。
中浦さんは一人っ子です。生後六十日で父を亡くしました。
母は、中浦さんを連れて実家へと戻りました。中浦さんはずっと祖父母に育てられました。

つまり、中浦さんにとって祖父母は実質的な「育ての親」であったのです。
「自分が喪主をしなくてはいけない」ということが頭の中を廻りました。真夜中の知らせです。
葬儀費用も引き出せないまま帰郷しました。

郷里では近所の方に手伝ってもらいながら葬儀の準備を進めました。
準備に追われる最中に「銀行の人が来ているよ」とのこと。表に出てみると、そこには例の課長が立っていました。
数時間かけて駆けつけてくれたのです。それも喪服姿で。

課長は、中浦さんに「葬儀費用に」と数十万円を手渡し、どうぞ使ってくださいと言い残して帰っていきました。

中浦さんは、少しでもこの上司に近づきたいと思っていますが、甚だ心許ない今日この頃です。

人間っていいな!涙がこぼれる「いい話」人間っていいな!涙がこぼれる「いい話」
(2010/01/13)
「感動物語」編集部

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つづく
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