太釈さんの法話なブログ 戦争を起こさない心 人の人たる道を歩く その4

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

戦争を起こさない心 人の人たる道を歩く その4

出征した住職の長男にあたる、現在の名誉住職も「戦争は二度としてはいけない」と言います。
「無力な子どもや老人がたくさん亡くなった。徴兵により心ならずとも敵・味方に分かれて戦い、死んでいった兵士たちの無念は如何なる理由があろうともだめだということだ」

名誉住職は終戦を迎える頃には12歳でしたが、アメリカ戦闘機の機銃掃射を受け、逃げまわったことがあります。
その時、名誉住職の隣に逃げてきた男性が、背中から胸に打ち抜かれ、白いワイシャツを真っ赤に染めて「ウーッ」と唸った声、「ドーッ」と流れ出した胸の血を見たときの恐怖が忘れられません。30年、40年たっても、疲れたときには機銃掃射で逃げまわる苦しい夢を見ました。近年になってやっとその夢を見ることがなくなってほっとしておられます。
戦争のできない国、日本国憲法を永久に守り抜いてもらいたいと語っておられました。

戦争は、人の生きる道を見失ってしまったが故に起こってしまったように思います。
「人の生きる道」とは何でしょうか。

真言宗のお勤め「仏前勤行次第」に三信条が載っています。
弘法大師空海が示した「人の生きる道」だと、私は理解しています。

三信条
一、大師の誓願によって二世の信心を決定すべし
一、四恩十善の教えを奉じ人の人たる道を守るべし
一、因果必然の道理を信じ自他のいのちを生かすべし

特に2番目の「四恩十善の教えを奉じ人の人たる道を守るべし」に注目したいと思います。
十善の教え(十善戒のこと)にある「不殺生(ふせっしょう)」を守ることができなかったのが戦争です。

私のような戦争を知らない世代が、次の世代に戦争を語り継ぐとき、何を伝えたらいいのでしょうか。
私なりの答えは「戦争を起こさない心を伝えていく」ことです。

戦争を起こさない心とは、不殺生を守り続けていくことなのです。
当たり前のことこそ、大切に守っていかなくてはならないのです。
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