太釈さんの法話なブログ 自己チューが変わるとき その1
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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

自己チューが変わるとき その1

真夏の蝉

夏休みになると、寺院で「寺子屋」や「こぼんさん体験」などが開催されます。いつもと違う非日常を体験させたいという親心も見えます。普段から学校の放課後を利用して寺子屋教室を開催しているところもあります。学童保育のようなものですね。


子どもたちが寺子屋に集まると、まず、することは「掃除」です。僧侶も掃除を作務(さむ)といって修行の一環として大切にします。一見きれいに見えるところでも磨き上げてピカピカにします。私は修行時代に「掃除は汚れを落とすことが目的ではない。自分の心の汚れと向き合い、磨き上げていくことだ」と教わりました。


子どもたちの掃除場所は、寺の境内と本堂です。自分の家とは比べものにならないほど広い場所ですから、どうしたらいいのか分かりません。最初はキョロキョロするばかりで、先輩の後ろをついて行くばかりです。


子どもたちは広すぎる本堂で右往左往している内に、要領を身につけます。高学年の子どもたちは、我先にハタキや小さい箒(ほうき)を手に取ります。掃除をする範囲が少なくて済み、掃除をしているようなふりができるからです。


自分の都合を優先した「自己チュー」です。


しかし、子どもたちは冬になると変わってくると住職は言います。


続く

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