
7000メートル級の山を単独・無酸素で登頂を目指す登山家、栗城史多(くりきとしたか)
世界の山に登るようになったきっかけは「彼女に振られたから」
あまりに唐突な理由に引いてしまいますが、本人はいたって本気です。
酸素は地上の1/3しかない世界で、彼は何を見るのか。
ヒマラヤからのインターネット中継を目指すも断念。一瞬の迷いが生と死を分ける世界。
そもそも生物の存在しない世界。
入山前には必ず儀式をするそうです。
石を積んで色とりどりの旗を立てる。そして、祈る。
これを見て私は「賽の河原(さいのかわら)」を思い出しました。
幼い子どもが亡くなると三途の川を渡れずに賽の河原で石を積みます。
「ひとつ積んでは『母恋し』、二つ積んでは『父恋し』」
石を積めども母にも会えず、父にも会えず、途方に暮れています。そこに現れるのが地蔵菩薩です。
「どうしたのかな。」
やさしく声をかける地蔵菩薩に、つらい気持ちを打ち明ける子供たち。
「そうか、そうか。さみしかったのう。私のそでの中へお入り。」
地蔵菩薩の袖の中で子供たちは成仏していくのです。
7000メートル級の山の上では自分の力は微々たるもの。山の自然に生かせてもらう、身を任せるしかない世界。地蔵菩薩の袖の中にいるかのように、身を捧げるしかない世界。
それを感じるから「祈る」のでしょう。登頂へと夢を運び、生きて帰ることに死力を尽くすのです。
八方塞がりでつらい時、成功法則や時間術のビジネス書で疲れた時にどうぞ。
![]() 一歩を越える勇気 |
- 関連記事
-
- 四十九日のレシピ(本の紹介)
- 一歩を超える勇気(本の紹介)
- 親鸞(本の紹介)
スポンサーサイト


