太釈さんの法話なブログ 信じるものは

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

信じるものは

金比羅さん


   香川県の金比羅神社


香川県の「金比羅さん」は、行けども行けども石段が続く難所です。途中で断念する人も多いです。
金比羅さんにまつわるお話をひとつ。

東京を出発して車で四国一周をしていた若者2人。
有名なお寺をお参りしたり、坂本龍馬の像を見たりと四国一周旅行を気ままに楽しんでいました。

出発当初から調子が悪かったパワーウィンドー。
高速道路の料金を払うのも、チケットを取るのもドアを開けながらでした。ちょっとしたことですが、面倒この上ない。動くはずのものが動かないのはイライラします。ましてや、「原因不明」ですから。

金比羅神社を目前にして、ついにパワーウィンドーは動かなくなってしまいました。スイッチを動かしても、無視状態。聞こえるのはドライバーのため息だけです。動かなくなったときの必殺技は「叩きまくる」です。
「ドンドンドン、ゴトッ」

最後にちょっとイヤな音がしました。窓があったはずの所に、恐る恐る手を入れると空気をつかむばかり。ついに窓ガラスが落ちてしまいました。自然のクーラー全開です。

「ふーむ」
声にならないため息と、イヤな雰囲気。「誰だ、窓を叩いたのは。」視線でケンカをする2人。

そのままでは視線の花火を散らすだけなので、気分を変えるために金比羅さんを登り始めました。
最初の坂道だけでも十分つらい。すでに汗が背中を伝います。石段がスタートして、上を見上げるとどこまでも続きそう。「あと、何段」という表示が恨めしい。

ヤケクソで一段飛ばしを始めますが、すぐに息切れ。何やっているんだろう。
かき氷が美味しそうに見えますが、休憩してしまうと二度と立ち上がれなくなりそうなのでドンドン行きます。まだ、先は遠い。

やっと着いたかと思えば、途中の入り口。
「ここからが聖域です。」との看板。
今までは何だったのだろう。もっと力が抜けてしまいます。

最後の力を振り絞って、やっと到着。
本殿にお賽銭を投げ込みます。「来てやったぞー」
お守り売り場では気の抜けたような黄色のお守り。記念に買ってしまいました。二度と来ることはないでしょうから。

帰り道は、降りるだけかと思ったら大間違い。ひざの負担は降りる方が大きい。重力には逆らえないことを痛感しました。ひざがガクガク笑う中で、耐えきれずかき氷をほおばります。甘ったるさがたまらない。確かハチミツ入りって書いてあったっけ。

すっかり車の窓ガラスのことは忘れていた2人。
エンジンスタートして、パワーウインドーのスイッチを上げると、な、何と上がったではありませんか。それも何事もなかったかのように。

これは、金比羅さんの功徳か。信じるものは、救われる?!
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