太釈さんの法話なブログ くわばら、くわばら

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

くわばら、くわばら

雷のイラスト

雷が鳴ると、おへそを抱えて「くわばら、くわばら」といいます。
どうしてでしょうか。

兵庫県三田市に「くわばら」と言う地名があります。ここに欣勝寺(きんしょうじ)というお寺があります。
住職は恰幅がよく、大きなおへそを持っていました。

さて、雲の上では雷たちが相談中。だれもがうらやむ美女の鬼が結婚したいと言い出した。その条件が鬼らしい。
「一番大きいヘソを取って来た人が良い」
鬼たちは、我先にとあちこちにへそを取りに行きました。

あわてんぼうの鬼がキョロキョロしていると欣勝寺(きんしょうじ)の住職のでかいヘソを見つけました。これは大チャンスです。

すかさずゴロゴロと雷を落としたまではよかったのですが、あわてんぼうで間違って寺の古井戸に落ちてしまいました。「雷が落ちた」と見に行ったら古井戸で声がします。
「オーイ、助けてくれ」

井戸をのぞき込むと雷鬼が井戸から出られず困っていました。
住職は「女・子どもを怖がらせる雷鬼は、こらしめてやる」と、古井戸にフタをしてしまいました。

しばらくは意地を張っていた雷鬼も、やがて疲れてしまい、ちょっぴり寂しくなってきました。
「助けておくれ。くわばらへは二度と雷を落とさないから。」
半信半疑だった住職も、雷鬼と固い約束をして助けてやりました。

さて、雲の上では大騒ぎです。
鬼がひとり帰ってこない。へそを取りに行った後、だれも姿を見ていないのです。
心配した親鬼はあちら、こちらと探し回ります。

お寺の上を通りかかった時、どこからか鬼の声が聞こえます。
耳をすましてみると、古井戸から「助けてくれ」

しかし、古井戸は住職がフタをしてしまって出られません。
困った親たちはしばらく様子を見ていました。

すると、住職が雷鬼を助けてくれたのです。
雷の子は帰って親に、一部始終を話しました。雷の親は、住職にたいへん感謝し、雷たちを集めて、
「これから欣勝寺やくわばらには絶対に落としてはならないぞ。」
ときつく戒めました。

それからというもの欣勝寺やくわばらには雷が落ちたことがないといいます。

雷が落ちない「くわばら」にちなんで、「ここもくわばらのように雷が落ちませんように」と祈るようになりました。
略して「くわばら、くわばら」

住職は「お前がゴロゴロ言って女子供が怖がっている。もう落ちてこないと約束したら助けてやる」
こうして三田のくわばらには雷が落ちなくなった
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