太釈さんの法話なブログ 宝福寺ものがたり ヘビ退治編 その16

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

宝福寺ものがたり ヘビ退治編 その16

「白龍」と呼ばれたヘビの親玉は、同じ師匠に師事する兄弟弟子でした。互いに法力の素質があり、師匠から見出されていました。切磋琢磨という言葉の通りに研鑽を重ね、よきライバルであり、よき親友でもありました。

元意上人が滝行を始めたと聞けば、白龍は滝壺に飛びこみ10分も浮いてきませんでした。山の崖っぷちで剣を前にして精神統一をする修行をしている元意上人を見て、白龍は剣の刃をのど元に当てて不眠不休の行をしました。

いつしか師匠を凌ほどの法力を身につけた2人は免許皆伝となりました。独立して自分の寺を持ち、法力によって人を助けよという師匠の言葉を胸に山を下りたのです。

元意上人は、師匠の言葉通りに人里に庵を結び、農業の技術を教える傍ら五穀豊穣や、降雨の祈願をして村人の生活を助けました。

一方の白龍は、さらに研鑽を高めたいと修験道で有名な山々を渡り歩きました。そして、頭首と決闘まがいの法力合戦をしては部下を自分に従え、勢力を持つようになりました。

風の便りに白龍の法力合戦を聞きつけた元意は、ライバルである以上に親友として唯一心を許せる存在であった白龍に会うことにしました。
「どうしても白龍の仕業をやめさせなくてはいけない。さもなければ、自分の力に溺れ破滅の道に進んでしまう。それだけは食い止めなくては。」

白龍が一大勢力を張り、ひと山すべてを聖域として人を寄せ付けずわがもの顔をしていました。山を荒らし、動物たちを追い払い、木を切り倒して自らの社を作っていました。たまりかねた動物たちは、山を下り人里に近づいていきます。田畑の作物をえさとして食い荒らし、邪魔をする村人を襲いました。動物たちは生きるために仕方のないことだったのでしょうが、村人たちは大弱りです。捕まえてもきりがない。自分たちを守るためだと言って山を聖域にしている、あの白龍を何とかならないものかと相談し合っていました。
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