太釈さんの法話なブログ 人間って冷たい?

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

人間って冷たい?

小学校や中学校で人権教育が盛んに行われるようになっています。2年に一度指定校で研究大会が行われます。指定を受けた学校では2年の歳月をかけて子どもとともに人権についてテーマを持ち研究をしていきます。
ある小学校で研究大会に参加していた先生のコメントです。

自分の財布の中を見ながら困っている青年がいました。
その青年は知的な障がいがあり、コミュニケーションが苦手です。困った時は誰かに助けを求めるといいのですが、それが上手にできません。自分が困っている状況を、上手に人に伝えられないのです。

青年はバスに乗って帰る予定でしたが、小銭がありません。千円札ならバスの中で両替ができるのですが、財布に入っているのは一万円札が一枚だけ。どこかで両替をする必要がありました。彼は、この現状をどうしたらいいのか分からず、近くの洋服店に行きました。レジにいた若い女性に声をかけますが、何をどう言ったらいいのか分かりません。

「あの、一万円札があって、家に帰れない。家はここから遠い。」

レジの店員さんは???です。ちょっと待って、と言ったきり相手にしてくれませんでした。

仕方なく、道向かいにあったコンビニに入りました。レジにいたアルバイト店員さんに声をかけようとしました。しかし、青年はどうしたらいいのか分からず興奮してしまい、よく分からないことをまくし立ててしまいました。
「△■◇&#??」

びっくりしたアルバイト店員さんは警察に通報してしまいました。
警察官の姿を見た青年は一言。
「人間って、冷たい」



もし、あなたがコンビニのアルバイト店員さんであったらどうしますか。
ドンドンとお客様をこなしていく日常の中で、マニュアルに沿わないお客様が来た時はどうしますか。自分の理解の範疇を超えてしまうと、排除してしまう社会を端的に表していないでしょうか。

密教寺院に掲げる曼荼羅には多種多様な仏さまを描きます。鬼や天女もいます。曼荼羅は一枚の絵として完成しています。見事にすべてが解け合って調和している。これからの時代は「調和」がキーワードになると思っています。
東日本大震災で「絆」という言葉が生まれました。その次に来るのは絆同士の「つながり」です。
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