太釈さんの法話なブログ コブができた

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

コブができた

お正月は親・子・孫に加えて、おじいちゃんやおばあちゃん、さらには曾祖父母まで一同に会します。
孫たちにとっては曾祖母は格好の遊び相手。
普段遊んだことの無い人と遊びたいのは世の常です。

あるお宅での出来事。

中庭で孫と曾祖母が汽車ぽっぽごっこをしていました。
そのうち飽きたのか、綱引きをし始めました。
「危ないわよ」という親やおばあちゃんの声など孫たちに届くはずもありません。
曾祖母も久しぶりに張り切っています。

「あっ」
曾祖母が手を握り直そうとした瞬間にロープがスルスルと手から離れていきました。
スローモーションのように倒れていく曾祖母。
ゴツン、と鈍い音とともに身動きできず、低い呻り声を上げています。

真っ青になる孫たち。
一大事と祖母を呼びに行く親。
頭を打っているので動かさないようにと、声をかけると意識はしっかりしていました。

「あいたたた、痛いなあ」
楽しいはずのお遊びは突然に終わってしまいました。
曾祖母は、そのまま次の日まで床に着いたままでした。

「朝起きたらね、血が頭から足の先までサッと流れるのが分かったのよ。」
と、たんこぶができたあたりをさすりながらいう曾祖母。
たんこぶよりも体に血が流れていく感覚が不思議だったのでしょう、何度となく話してくださいました。

年齢とともに同じ話を繰り返すようになるものです。
感動した話をどうしても誰かに伝えたかったのでしょう。
記憶は忘れていっても感動は残っていくものです。
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