太釈さんの法話なブログ ヘビ神さまのものがたり その2

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

ヘビ神さまのものがたり その2

「こんばんわ」
夜七時から行われる法話会に集まるメンバーはほぼ決まっています。学校の先生もいれば主婦もいます。専業農家の方もいれば学生もいます。共通点は住職の法話、どちらかと言えば地域の昔話を聞きに来ている点だけが共通項です。

今日の話題は、寺の裏にある大きなため池のようです。

「寺の裏に大きなため池があるじゃろ。久原池(くばらいけ)と呼ばれとるな。変わった名前じゃ。ひさはら、と読むのが筋じろうになあ。そこをあえて「くばら」という。ワシは興味があって調べてみた。学者になり損ねたからのう。」
 いつもの口ぐせがでたので、笑いをかみ殺してしまいました。

「わしの推測じゃが、久原(くばら)は、百済(くだら)が訛ったものじゃな。朝鮮半島に百済という国があった。そこから海を渡って貿易をしておった。物と人が行き交っておった。そのうち日本に定住する人も出てきた。本州を越えて、さらに海を渡って四国へと来たわけじゃ。」
 得意そうに住職は話を続けます。調子のいい時は片方の眉だけぴくぴくさせます。

「中国から渡ってきたものは様々ある。そのひとつは仏教じゃ。日本はそもそも神様の国。誠治は神様のお告げで決まっておった。ところが、仏教が入ってきて、その教えを元に政治をしたのは誰じゃと思う?」
いたずらっぽい目で参加者を見渡します。視線はピタリと私のところで止まりました。
「どうじゃ、誰だと思う?」
私はしばらく考えて答えました。
「聖徳太子ですか?」
住職は膝をぴしゃりと叩いてうれしそうに言いました。
「そのとおり。『和をもって貴しとす』の聖徳太子じゃ。その聖徳太子は阿波国にも足を伸ばしたことがあるのではないかとにらんでおる。」
時として住職の話は突飛な発想に結びつくことがあります。
「聖徳太子は『蛇使いだった』という話もある。」
にやりと口の端をゆがめて話を続けました。

つづく
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