太釈さんの法話なブログ ヘビ神さまのものがたり その3

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

ヘビ神さまのものがたり その3

「話を戻そうかの。久原池には大蛇が住んでおったらしい。池の畔にほこらがあるじゃろう。あれは大蛇の霊を祭ったものじゃ。大蛇は土地のもんには悪さをせんかったが、妙な出来事がちょいちょい起きた。

 この大蛇は閏年の夏にしか現れん。日照りの続く昼間に十七、八歳頃の若者が現れる。何処の誰やら誰も知らん。若者は池の周りをゆっくり歩いたり立ち止まったりするそうな。キョロキョロあたりを見て歩く様は、まるで年寄りのようじゃったそうな。
 着物もちょっと変わっているものでな。赤、青、白の大きな縞模様の入った袴をはき、同じ縞柄の着物を着とる。村の人があいさつしても返事はせんかったような。」
 不思議なこともあるもんじゃ、と住職は一息つきました。

「不思議なことはここからじゃ。若者が現れて二、三日すると必ず大雨が降った。大雨はたいてい二日間降り、降り止むと池の近くのあぜ道に、高さ三十メートルもある虹の柱が一本立ったそうな。
 久原の人は、この虹を見たら手を合わせよった。神さんの恵みというてな。ちょうど日照りで水が干上がった頃に雨が降るから、ありがたかったはずじゃ。それから久原姓の人がずっとほこらを守っているわけじゃ。」

それからの、と住職は思い出したように身を乗り出しました。

つづく
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