太釈さんの法話なブログ うるう年 その2

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

うるう年 その2

弘法大師空海が大きな家の前で立ち止まり、托鉢を請いました。
主人は追い返そうとしましたが、一向に立ち去りませんでした。怒りにまかせ、手に持っていた箒で托鉢用の鉢を割ってしまいました。
破片は8つに散らばりました。

弘法大師空海は黙って一礼すると西へ歩いて行きました。

次の日から突然の病で一人目の子どもが急死してしまいました。
2日目には事故で二人目の子どもが亡くなってしまいました。
毎日1人ずつ、ついに8人全員の子どもが亡くなってしまったのです。

悲しみに暮れる主人の脳裏をよぎったのは、あの弘法大師空海でした。
「私の非をわびたい。」

弘法大師空海を追いかけて西へと旅に出ますが、見つかりません。
寺の本堂に札を打ち付けて自分が来たことを知らせますが、出逢うことはありませんでした。

「逆に行けば出逢うことができるのでは。」
そう思い、逆順に巡ります。しかし、何処にもその姿はありません。

ついに精も根も尽き果てて、山中で身を横たえました。
「これでもう終わりだ。子どもたちの所へ行こう。」

意識が遠のく主人の体を抱き起こす人がいます。
ぼんやりと見えたその顔は、探し求めていた人でした。
「そなたに一言お詫びをしたかった。」

弘法大師空海はニッコリと頷き、主人は息を引き取りました。

4年に一度、悔いを改める旅に出るのでしょうか。
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