太釈さんの法話なブログ 仏は「ほどく」につながる その2

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

仏は「ほどく」につながる その2

江戸時代にあった話だそうです。

近所で有名なほど嫁と姑の折り合いが悪く、「死んでやる」などと物騒なケンカを毎日のようにしている家がありました。

ある日のこと。
この家の嫁が医者の戸を叩きました。それも、夜遅くに。

嫁の顔を一目見ただけでただならぬものを感じ、中へ通しました。
「夜分にどうした。具合でも悪いのかい。」
やんわり切り出す医者に、嫁は両手をついていいました。
「一生のお願いがあります。」
「一生のお願いとは、な。私にできることならさせてもらうが、どうした。」
「毒を一服、盛ってください。」

事情を理解した医者は、腕を組んだまま黙り込んでしまいました。

今日という今日は、腹の治まりの付かないことがあったに違いない。
姑に毒をもって、自分も身を投げようとしているのか。

「なるほど。わかった。毒を一服盛るからしばらく待っておれ。」

医者は奧へ入ると薬を盛り始めた。
しばらくして出てきた医者は、嫁にこう告げた。
「ここに30包みの毒がある。一度に毒を盛ってはばれてしまう。そうすれば、お前さんだけでなく私もただでは済まぬ。そこで、30日飲めばコロリと死ぬよう量を加減してある。」
ありがとうございます、と帰りかけた嫁に医者は声をかけた。

「ただし、条件がある。どうせ相手は30日で死ぬのだ。それまでの間、毎日『ありがとう』を欠かさず、足や腰を揉んであげなさい。なに、30日の辛抱だよ。」
怪訝な顔をした嫁は、仕方なさそうに「分かりました」と行って帰っていきました。
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