太釈さんの法話なブログ がれきは宝の山 その1

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

がれきは宝の山 その1

忘れられない昨年の記憶。
マグニチュード9.0の大地震が突然に東日本沿岸を襲いました。
震度7の揺れ、30メートルを超す津波。
全てのものが流されていく映像を見ながら、何も出来ない自分に呆然としました。

その当時、友人は東京の葬儀社に勤めていました。
震災発生から5日後、ボランティアとして現地入りしました。
見たものは「一面のがれき」でした。

がれきの中には様々なものがありました。
ついさっきまでそこで生活していたことをはっきりと感じさせるもの、
例えば、電子レンジだったり、冷蔵庫だったり、こたつ布団だったり。
写真のアルバムや子どものランドセル、日記帳もありました。

がれきの間を呆然と歩いていた時、1人の年配の男性と出会いました。
がれきの中から赤い屋根のような板を引っ張り出そうとしていました。

「危ないですよ。」

つい、声をかけました。
ケガをしても十分な消毒もできません。そのまま破傷風にでもなったら命に関わるかも。
その思いが、つい口を突いて出てきました。

声をかけられた年配の男性は、「ニッ」と白い歯を出して言いました。

つづく
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コメント


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No title

がれきとはいえ、そこで生活していた人々の痕跡という意味では、決して単なるゴミとは思えないこともありますね。

たいらー | URL | 2012-05-24(Thu)16:47 [編集]


そうなんです

たいらー さん

コメントありがとうございます。
がれきはゴミではないのです。放射能汚染を心配される気持ちは分かりますが、がれきには「生きた証」が詰まっていることにも心を向けたいものです。

太釈 | URL | 2012-05-25(Fri)09:05 [編集]