太釈さんの法話なブログ ことぶき

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

ことぶき

お仏壇の中にあるお位牌をじっくり見たことはありますか。
特に難解なのが「戒名」です。難しそうな漢字が並んでいて、意味がよく分からない。

そこで、簡単な解読方法を教えます。

戒名の中に「寿」あるいは「壽(寿の旧字体)」は含まれていませんか?
この字が入っている方は、「長寿」であったという意味です。
一昔前なら70歳以上、現在なら80歳以上の方に対して用います。
お位牌の裏には「何歳で亡くなった」と言うことが書かれているので確認してみてください。

先月に17回忌の法事をさせてもらった檀家さんも、戒名に「寿」が入っていました。
「長生きされたのではないですか?」
と、聞くと
「その通りです」
とのこと。

82歳の天寿を全うし、最後までご遺族が自宅で介護されたそうです。
「施設に預けてしまうと、我々は楽かもしれんけれど、後で後悔するような気がしてな。自宅で介護できて満足しとるんじゃ」

「自宅介護」と簡単に言いますが、なかなかできることではありません。
だんだんと弱っていく自分の親の姿を見ることは、身を切られるような想いです。
自分が小さい頃に顔を上げられないほど厳しくしかってくれた人が、自分で食べることもできず、トイレに行くこともできなくなっていく。さらに、昨日の記憶さえも消えていく毎日を過ごすことは、持って行きようのない悲しみに包まれます。

時として寂しさは怒りに変わり、持って行きようのないもどかしさで心を病むこともあります。
それでもなお、親と向き合っていく勇気を持ち続けた檀家さんに「寿」という文字を贈らせてもらうのです。
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