太釈さんの法話なブログ 聞こえない声を聞いた少女 その1

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

聞こえない声を聞いた少女 その1

戦没者慰霊祭2012 にて

徳島県立美術館の特別展示で、信州の「無言館」所蔵の絵を見てきました。
戦没画学生の絵を集めた美術館で、絵を見ていると誰もが無言になることから無言館と命名されたそうです。

出征間際まで描き続けた絵は、結果として「遺作」となってしまいました。
ご遺族は、戦後五十年ずっと守り通してきました。
一片の遺骨も戻らなかった中で、絵は帰らぬ人の分身であり、ご遺族の心の拠り所であったでしょう。

その絵は全国を訪ね歩き収集され、無言館に納められています。
館長である窪塚誠一郎氏の「懺悔」とともに。

もっと早く見つけなくてはいけなかった作品の数々に、頭を下げるしかなかった。
彼らの絵が五十年もの間、ずっと社会から置き忘れられていたことへの悲しみが胸をひたした。
無言館 (アートルピナス)無言館 (アートルピナス)
(1997/07/25)
窪島 誠一郎

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  より

私は、「戦争に行きたくない」と絵筆をなかなか置かなかった絵は、きっと暗いものが多かったに違いないと勝手に思い込んでいました。ところが、全体的に、明るい絵が多いのです。
自画像だったり、家族であったり、近所の風景画だったり。

まるで、自分の記憶にすり込むように描かれた絵でした。
残されたわずかな時間を、絵を通じて対話していたのでしょうか。

つづく
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