太釈さんの法話なブログ 町中にいる仏さま

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

町中にいる仏さま

不動明王の姿

  不動明王


法話で聞いた話をシェアしたいと思います。

「町中にいる仏さま ‐お不動さんの功徳‐」

石川県の寺院住職に高齢の母がいます。お母様は高野山の介護施設にいます。90歳を超える高齢ですが、元気です。でも、いくら元気だからとはいえ、突然のことがないとも限りません。月に一回、石川から高野山へ足を運びます。

石川県から特急に乗って大阪まで。そこから大阪市内の地下鉄にて高野山行きの電車が出ている難波へと向かいます。大阪市内の電車は満員です。満員電車で座っている高校生は、耳にイヤフォンを入れて音楽を聴いています。周りの状況などお構いなし。

そこへお腹の大きな妊婦さんが幼い子どもの手を引いて乗ってきました。満員電車で互いに場所を譲りながら乗り込みます。御住職は窓ぎわのつり革を持ちながら高校生がどうするのか、じっと見ていました。周りの状況に気がつかないのか、お構いなし。電車がぐらりと揺れて、妊婦さんは高校生の頭に大きなお腹を当ててしまいました。

高校生は、弾かれたようにピョコンと立ち上がり、
「ここ座ってください。ぼく、次の駅で降りますから」
といって、人をかき分けとなりの車両に移っていきました。

御住職は、席をゆずった高校生をじっと見ていました。
次の駅が来ても高校生は降りません。その次の駅でも、その次でも。ついに、終点で住職と一緒に降りたのです。

お不動さんは背中に炎を背負い、恐ろしい顔をしています。
その功徳は4つあります。「布施」「愛語」「利行」「同事」
高校生は、この4つの功徳を妊婦さんに施したのです。

弾かれたように立ち上がり席をゆずった 「布施」
「ここ、座ってください。ぼく、次の駅で降りますから」と、優しい言葉をかけた「愛語」
さっと席をゆずった「利行」
妊婦さんの苦労を我が事のように感じた「同事」

高校生は、お不動さんと同じ功徳をもたらしたのです。彼は、お不動さま、仏さまなのです。
よく見ると、あちらこちらにお不動さまがいます。仏さまがいます。

自分が「できない」と思わないでください。
そのままで、仏さまなのですから。
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