太釈さんの法話なブログ 後悔しないように

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

後悔しないように

後悔しないようにしようと、心を決める出来事があります。

今月、100回忌の供養をされた檀家さんのお話です。
家の初代に当たる方の供養です。いろいろと複雑な事情もあったようです。

思い出話に花が咲き、先代の奥様の話題になりました。亡くなって20年ほどでしょうか。
親戚に不幸があり、遺体を引き取った後どうしようかと相談していた時のことです。
何かの用事があり、先代の奥様に声を掛けようとした時でした。
「全部、あんたが悪いのよ」
と、突然にげんこつが2つ飛んできました。

何のことやらさっぱり分かりません。げんこつをもらうようなことは何一つしていませんでした。嫁に来てからというもの、理不尽なこともたくさんありました。じっと耐えて、こっそり涙したこともありました。しかし、今度だけは許せませんでした。娘たちの手前、姑に手を出すことはしませんでしたが、「絶対に忘れるものか」と誓いました。

その後、娘たちも成人し、無事に嫁いだ後も忘れることはありませんでした。姑はある日突然に倒れ、一命は取り留めたものの、体を動かすことができなくなってしまいました。昔の恨みがあったので、知らんぷりを決め込むこともできました。でも姑の姿を見て思ったのです。「ここで介護しなければ、一生後悔する」

数年の後、姑は他界しました。あの時のげんこつは忘れることはありませんが、介護できたことは後悔していないと言います。

弘法大師空海も
「会い難く別れやすいのは慈しみ深い親の姿であり、去りやすく留まりがたいのは親のうるわしい心情である」
と、言います。

親の姿は別れやすく、心はいつまでも留まってはくれないものです。
明日が来ないと分かっていたなら、後悔しないようにしたいものです。
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