太釈さんの法話なブログ 普段感じないもの

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高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

普段感じないもの

「奇跡の音色」と称される盲目のピアニスト、辻井伸行氏のお母様の講演会に行ってきました。

辻井伸行氏は生まれつき全盲で、眼球の発達が遅く正常に発育しないまま生まれてしまうごくまれな「小眼球症」でした。全く光を感じることも出来ない状態です。

ですから、お母さんは「きれいなもの」や「美しいもの」を見るとつらくなりました。息子には見えないから。

光を感じられないので昼夜の区別が分かりません。昼夜逆転してしまい、音に過敏になります。嫌いな音には過剰に反応して大泣き。外出もままならず、買い物に行ってもあきらめて帰ってくることは日常茶飯事でした。

行き詰まると、どこかに救いを求めるもの。
彼のお母さんは本に救いを求めました。特に感動したのは「フロックスは私の目」という本でした。全盲で盲導犬との生活を描いたものです。
フロックスはわたしの目―盲導犬と歩んだ十二年 (文春文庫)フロックスはわたしの目―盲導犬と歩んだ十二年 (文春文庫)
(2003/06)
福沢 美和

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御礼の手紙を書くと、音声で返事が来ました。
童話作家として活躍されていますが、考え方がポジティブで、何でも体験して見るそうです。
そして、最後にこう添えられていました。「普通に、親と同じ感覚で育てたらいいのよ」

花見に行っても、花を見るだけではないのです。
風を感じ、桜の匂いをかぎ、散っていく花びらの音を楽しむ。

そして、辻井伸行氏はお母さんにこう聞きました。
「お母さん、今日の風はなに色?」

ときには、目を閉じて五感で感じてみたいものです。
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