太釈さんの法話なブログ 法話

太釈さんの法話なブログ

高野山の布教師 太釈さんがミニ法話を綴ります

般若心経は難しい? 空とは?

般若心経についてシリーズで紹介していきます。
毎週火曜日に更新予定です。

般若心経に登場する重要な概念である空(くう)について紹介します。

結論から言うと、空(くう)とは空っぽを意味しています。何も入っていない状態です。

例え話をします。
私が相談された事例です。
「自分が大事にしていた植木を誰かに無断で持って行かれた。腹が立って仕方がない。どうやって心を鎮めたらよいのか」

私はこう答えました。
「植木は『自分のものである』と信じて置いてありましたね。しかし、元々は自分のものではなく植木を置いていなかったとすれば、どうでしょうか。自分のものでなければ所有欲もありません。所有欲に執着してしまうから『無断で持って行かれた』と腹を立ててしまうのです。植木に執着する心が腹立ちの原因なのです」

どこか禅問答のようですが、仏教の基本的な考え方です。

大事にしていた植木を持っている所有欲は煩悩であると考えます。
そして、誰にも渡してやりたくないと貪欲(どんよく)が生まれます。
貪欲があるが故に、無断で持って行かれたことに対して怒りの毒を吐くのです。

※ 仏教では、貪欲と怒り、愚痴は三毒(さんどく)と言います。花を枯らしてしまうほどの猛毒を吐き出すので、戒めるように説かれています。

私の回答にある「元々は自分のものではなく植木を置いていなかったとすれば、どうでしょうか」というくだりは、空(くう)の概念です。もともと空っぽなのであれば、所有する苦しみも無ければ、怒りの毒を吐き出す苦しみもありません。

自らを空っぽにすることが、仏道修行なのです。

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般若心経は難しい?第9パート

般若心経についてシリーズで紹介していきます。
毎週火曜日に更新予定です。

般若心経は難しい? 第9パート

故説般若波羅蜜多呪即説呪曰
掲諦掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦 菩提薩婆訶
般若心経

般若心経の最後の部分です。ついにすべての苦しみを除く呪文が公開されます。

「掲諦掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦 菩提薩婆訶」が呪文(真言)です。

真言なので音写(聞いたそのままを漢字で当て字すること)しています。
普通に読めば、ギャーテイ ギャーテイ ハーラーギャテイ ハーラーソウギャーテイ ボーディーソワカ」となります。しかし、少しリズムが変ですね。

リズムがおかしいのは「ハーラーソウギャーテイ」の部分です。
「ハラソウ ギャーテイ」と唱えますね。「ハーラー」の部分は二拍ではなく、一拍で唱えます。

音写ではうまく表現できない部分ですね。

般若心経を写経するとき、超初心者用として「掲諦掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦 菩提薩婆訶 般若心経」だけを写経するギャーテイ写経があります。般若心経の核心はここなので、ギャーテイ写経もありということです。

次回は、空について紹介します。

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般若心経は難しい?第8パート

般若心経についてシリーズで紹介していきます。
毎週火曜日に更新予定です。

般若心経は難しい?第8パート

故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦真実不虚

さて、ここから般若心経は大きく飛躍します。
理屈をすべて省略して、いきなり「すべての苦しみを除くことができる呪文を言うよ」となっています。

苦しみを除いてくれる呪文は、神のようで、大きな明かりのようで、この上なく同じものがないほどにすばらしいものだと、説きます。

どのような呪文なのか、次のパートで紹介します。

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般若心経は難しい?第7パート

般若心経についてシリーズで紹介していきます。
毎週火曜日に更新予定です。

般若心経 第7パート

三世諸仏依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提

私はYouTubeで見たのですが、ずいぶん昔のアニメで『レインボーマン』がありました。
ガッチャマンと混同しそうですが、別のアニメです。

レインボーマンが変身するときに「阿耨多羅三藐三菩提」と唱えていました。
私が檀家さんから、どういう意味があるのですか?と聞かれて返答に困ったことがあります。

この部分も音写になっています。
元は「アヌッタラサンミャクサンボディ」です。意味は、この上なく正しい悟りです。

レインボーマンは変身することにより正義の化身となります。「阿耨多羅三藐三菩提」と唱えることで、自らの正しさを表していたのでしょう。

つまり、第7パートは
般若波羅蜜多の教えは、この上なく正しい悟りなのだ
と、なります。

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般若心経は難しい?第6パート

般若心経についてシリーズで紹介していきます。
毎週火曜日に更新予定です。

般若心経 第6パート


故菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣礙無罣礙故 無有恐怖遠離一切顚倒 夢想究竟涅槃


第6パートで初めて「般若波羅蜜多」が登場します。

般若波羅蜜多とは、聞いたままを漢字で当て字している音写(おんしゃ)しているものです。

元はパンニャパラミーターです。確かに聞いた音はよく似ていますね。


さて、般若波羅蜜多とは静かなこころの境地に至るための修行方法を指します。


第6パートでは

般若波羅蜜多という修行方法を知ったなら、わだかまりもなく、怖くもない。間違った考え方をすることもない。

という意味になります。


私なりに第6パートを解釈すると

「心静かな境地に行くことができる方法を知り、互いに認め合い、慈しみ合うことができる世界を作ることができる」


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